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5月, 2024の投稿を表示しています

マーガリンは本当に体に悪いのか

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まだそれほど昔ではない時期、コレステロールは動脈硬化の原因でありできるだけ摂らないのが正しいと言われていた。その後、コレステロールの増加は原因ではなく結果であることが判明して、そういうことは言われなくなった。 それと同じような匂いを感じるのが、トランス脂肪酸絶対悪の風潮である。 だから、マーガリンは避けてバターにすべきというのが現在の考え方だが、本当にそうなのかと感じている。 まず大原則として押さえておくべきは、脂肪(脂肪酸とグリセリンからできている)は人間の体内で合成されないので、外から摂取するしかないということである(必須栄養素といわれる)。糖が足りなければ筋肉や皮下脂肪を分解して作れるが、脂肪はそういう訳にはいかない。(皮下脂肪や内臓脂肪は中性脂肪で、もともと糖である) そして、トランス脂肪酸が心筋梗塞その他の悪影響があるというのは欧米の調査結果であって、それらの調査が行われた国のトランス脂肪酸摂取量は日本の7~8倍なのである。 どんな栄養素であっても、摂りすぎが体によくないのは当り前である。 例えば米国でトランス脂肪酸摂りすぎの原因となってるのはジャンクフードをはじめとする食べ過ぎ である。トランス脂肪酸以前にカロリー過多で、だから肥満が多い。 必ず摂らなければならず、しかも摂りすぎでなければ、基本的にほとんど問題にならない。マーガリンをお菓子代わりに食べていれば害になるとしても、パンに塗るくらいはたいした影響はない。(アメリカではポテトチップやケーキ、ドーナツを大量に食べるので、結果としてマーガリンを1パック食べるようなレベルになる) また、トランス脂肪酸は植物性油脂を加熱した場合にだけ発生する訳ではない。牛など反芻動物の体内でも発生するので、牛乳にもバターにも当然含まれている。 だから市販商品を調査した結果をみると、トランス脂肪酸が最少のマーガリンは、最大のバターよりトランス脂肪酸含有量が少ない。トランス脂肪酸を避けてバターにしたところで、マーガリンと変わらないというケースがありうるのである。 その意味では、パンには何も付けずに食べるのがいちばん体にいいことになるのかもしれないが、ひとつ注意喚起したいのは、 体にいいと言われるEPA、DHAも脂肪酸であることは変わらない ことである。 EPA、DHAは魚由来だから問題な...

キャベツ1玉千円って

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千葉ニュータウンはスーパーが林立しており、国道16号から464号を通って近隣市町村から来る買い物客も多い。それもあって比較的物価は安定していると思うのだが、食品についてはそうでもないらしい。 奥さんから聞いた話では、最近ではキャベツ1玉が千円近くするのだそうだ。私のイメージは特売で1玉100円、200~300円を超えるなら食べずに我慢するレベルであるが、 春キャベツの時期にもかかわらず天候不順で不作、価格が千円近くなっている そうだ。(日曜日に見てきたところ、千円ではないけれども大玉は700円。レタスくらいの大きさでも300円だった) キャベツが高いならレタスで済ませればいいような気もするが、なかなかそうもいかない。付け合わせならレタスを刻んで代用するとしても、キャベツ巻きはレタスでは難しい。トンカツやコロッケにも、キャベツがないと寂しい。 少し前はスーパーでキャベツの外側何枚かを捨てていく人が珍しくなかったのに、いまや半玉とか1/4玉買っていく人が少なくないらしい。永平寺に行くと警策で打たれてしまう状態から、禅寺レベルになったのかもしれない。とはいえ、大事に使う使わないと値段が高すぎるのは違う問題である。 その割には、大根や人参の葉っぱはいらないと、売り場で捨てていく人もいまだに多いらしい。わが家では、大根の葉はぬか漬けにするし、人参の葉は天ぷらでおいしくいただいている。捨てるにはもったいないほどおいしいし、栄養がある。 個人的には、キャベツなら安くなるまで食べなくてもいいけれど、 昨今のパイナップルの値上がりには目の前が真っ暗になる思い がする。近所のスーパーで古くなったパイナップルが200円で売っていて、この冬はかなり重宝させてもらった。ところがこのところ安売りはまったくなく、定価で買うと700~800円する。年金生活者にはとても手が出ない。 カットして売っているパイナップルは相当に割高で、300円のパックだと4分の1くらいしか入っていない。だから1玉買ってきて奥さんがカットして、1週間くらい食べていた。1玉200円だと1日30円くらいの計算である。 大安売りの特売といっても品物は決して悪くないし、中は熟れていてすぐ食べても甘い。葉っぱがしおれて全体が黄色くなっただけで安く売るのである。毎朝ヨーグルトに入れて少しずつ食べるのを楽しみ...

紅麹は大騒ぎでPascoは素通り?

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GWはなじみのパン屋さんが休みで、現金もあまりなかったので、奥さんは近くのスーパーでPascoの超熟5枚切りを買ってきた。特に深い考えがあった訳ではない。 ところがネットをみるとまさにスーパーで買ってきたその日に、Pascoの食パンが騒ぎを起こしていた。それも、超熟5枚切りである。 異物が入っているとクレームがあり、調べたところネズミの死骸だった ということだ。 NHKでも放送したと書いてあるけれど、少なくとも紅麹のように大騒ぎした訳ではない。いまのところ健康被害は生じていないということだが、ネズミが侵入するような製造ラインであることは確かで、不衛生極まりない。 Pascoはというと、当該ライン製品の自主回収で済ませたいようで、回収するのも「山型」超熟だけだそうだ。しかし普通に考えて、衛生環境や製造ラインの管理が1工場1ラインだけの問題である訳がない。 スーパーに返品も考えたが、すでにレシートは捨ててしまった。レシートも持たずにスーパーに行ったところで、「これは回収対象外です」で終わりである。もったいないけれど5枚切り1斤はそのまま生ゴミとなった。 紅麹を服用している人と食パンを食べる人とでは、少なくとも2桁、もしかすると3桁人数が違う。にもかかわらず 紅麹は大騒ぎで、Pascoは素通りである。マスコミはいったいどういう価値判断でニュースを選んで いるのかと思う。 紅麹にしたところで、ニュースにするのは「予期せぬ成分が入っていた」までで、その成分が腎臓に悪いのか悪くないのか、紅麹そのものに問題があるのかないのかはどこも報道しない。きっとそこまで頭がよくないのだろう。 紅麹は大騒ぎとなったので、厚労省は調査に入らざるを得なくなったし、紅麹は全品回収である。かたやPascoには(ニュースをみる限り)調査も入らなければ、他ラインや他工場の商品はそのまま売っている。何かおかしい。 マスコミは、 ネズミくらいで大騒ぎしないで下さい。ゴキブリだって鳥の糞だって入ってますよ というつもりかもしれない。だが、紅麹よりネズミの方がよっぽど病原菌を持っている可能性が高いし、感染症の原因となったこともあるのは言うまでもない。 あるいは、Pascoよりヤマザキの方が不衛生で、それを承知でPascoを贔屓しているのだろうか。確かにヤマザキの不衛生さもよく知...

ノンアルコールビールはいいことばかりなのか ~糖質制限2024年4月(続き)

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2024年4月のアルコール摂取量は1日平均18g。 引き続き1日20gの厚労省推奨レベルを下回っているのだが、最近気にしていることがある。 というのは、アルコールを減らせている大きな理由が、ビールを飲まずにノンアルコールビールを飲むようになったことなのだが、果たしてこれが本当にいいことなのかという疑問がふつふつと兆してきたのである。 カロリーというのは燃やすとどのくらいの熱量を発するかということだし、アルコール摂取量はエチルアルコールがどのくらいの分子量あるかということである。人体の中でどのように変換されているか完全に分かった訳ではない。 糖質でなく合成甘味料を摂れば、 脳は糖質だと思って満足するし体は余計な栄養をとらなくてすむという理屈だが、 本当にそうなのだろうか。 体に必要ないものであればそのうち脳も分かってきて、こんなもの食べたり飲んだりしても生きていくのに関係ないと思いそうなものだが、そうならない。ノンアルコールでも飲めばビールと同じように満足感が得られる。 ということは、カロリーがない=燃やそうとしても燃料にならないだけで、実は体内ではそれなりの用途に使われているのではないかと思うのである。 疑わしいのは腸内微生物である。腸内微生物にとって、例えば食物繊維にはカロリーはないが、これを分解して栄養にすることができる。牛が草食なのにあの体格を維持できるのも、腸内微生物が関わっている。 だから、ノンアルコールビールやダイエットコーラに含まれる 人工甘味料も、腸内微生物には分解できるかもしれない。それにより「悪玉」微生物が増えるなんてことも ない話ではない。この分野の研究は、まだまだ進んでいないのだ。 エチルアルコールは結局、水素と酸素と炭素の集まりだから、厚労省の言う通り悪いものなら、水だって食物だって悪くないとは断言できない。いずれにしても生物は、死に向かって不可逆的に進んでいく存在なのである。 ましてノンアルコールビールはエチルアルコールよりもっと高分子の、人工甘味料の集まりである。アルコール抜きで脳をだましているつもりで、体にとって実は有害という落ちは、ないとは限らない。 p.s. 糖質制限シリーズ、バックナンバーは こちら 。 p.s.その2 糖質制限事始め、GO DOWN CLASSICに載せてます。 こち...