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今月は歯科検診

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歯科のお医者さんは、面倒見のいいところに通っている。なかなか予約がとれないくらい評判がいい歯科で、虫歯の治療で間隔が1ヶ月開いてしまうのが玉に瑕だが、治療が終わっても数ヶ月ごとに検査してくれる。 昔から、人間ドックで血液検査やレントゲンを撮るよりも、定期的に歯の検査をしてくれればいいのにと思っていた。医師会は政治力が強く歯科医師会はそうでもないということだが、歯の検査が体同様に重要であることはいうまでもない。 4年前に糖質制限を始めたのはいろいろ不調になったからだが、その一つが歯の痛みだった。 糖尿病が歯周病を招くことはよく知られていて、 歯の衛生管理がよくないとインシュリンが効きにくくなって膵臓に負担がかかり、毛細血管に血液が回らなくなって歯周病になるという循環する関係であることが分かっている。 かぶせた歯冠の下が虫歯になって、その治療に半年以上かかったのだが、それ以降も定期的に診てくれる。今回は4ヶ月ぶりくらいだが、歯茎の状態を検査して、歯垢をクリーニングして、ときどきレントゲンを撮る。おかげ様で、糖質制限前のような不快な痛みはなくなった。 「歯茎の状態もいいですし、ていねいにケアなさっています」とのことで、出血箇所も少なく歯周ポケットも深くなっておらず、特に問題はなかった。ただ、利き手の側にあたる右下の歯をもっと気をつけて磨いた方がいいのと、歯の隙間に広い狭いがあるので、注意した方がいいそうだ。 「間隔が狭いところはSSSでいいのですが、隙間が目で分かるところはSを使った方がいいかもしれません。 広いところに細かい歯間ブラシを使うと、きちんと汚れが取れない ことがあります。」 デンタルフロスや歯間ブラシがどこのドラッグストアでも買えるようになったのは、それほど前のことではない。私の若い頃は、朝晩と昼食後に歯磨きするくらいでかなり几帳面と言われたのだ。もっとさかのぼれば歯磨き粉で、まさに缶の中に粉末が入っていた。 現代の歯磨きはクリニカなどフッ素化合物配合で、洗口液、デンタルフロス、歯間ブラシは誰でも使うありふれたものである。昔に比べると、世の中全般が歯に注意するようになった。テレビCMで「歯槽膿漏になると歯が抜けます」なんてやっていたが、いまや歯槽膿漏が死語で、歯周病でないと通じない。 半世紀前は「8020運動」といって、80歳で

猪転げ坂から小ピーク5つ6つ先 雨巻山(後編)

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さて、益子いくべ会作成の雨巻山登山マップによると、御嶽山(おんたけさん)から峠までの所要時間は23分である。にもかかわらず、実際には30分近くかかった。というのは、峠までだから下るだけではなく、アップダウンがあるからである。 正直、登ったりまた下ったりを繰り返すうちに、なんだか疲れてきた。御嶽山のベンチでエネルギーゼリーで補給したものの、足りなかったのかもしれない。峠といっても鞍部というより、大川戸への林道にショートカットする道である。 そして、 もうひとつの難所・猪転げ坂(ししころげざか)が現われた。 真ん前にスイッチバックの急坂があるのだが、途中から上は木々に隠れて見ることができない。とはいえ、奥多摩のスイッチバックに比べれば、何ということもない。 はじめは2、3歩進むとスイッチバックだったのが、だんだん間隔が開いて行く。上部では20~30m行ったり戻ったりする。最後は顕著なピークまで登る。でも、猪が転がるほどではなかったような気がする。 しかし、問題はこれからであった。大層な名前の急坂を越えたらほどなく雨巻山かと思っても、なかなか着かない。1/25000図を見れば明らかだが、猪転げ坂の上のピークは453mの独標で、御嶽山と20mしか変わらない。雨巻山は533mである。 雨巻山まで、まだ小ピーク5つか6つある。とはいえ、歩きながらそれは予想していた。この後歩く予定の、三登谷山(みつどやさん)に至る稜線が右から合わさるはずなのに、ちっとも見えてこないからである。 ようやく雨巻山に近づいたのが分かったのは、沢コースとの分岐があったからである。ここにも看板と貼り紙があった。「沢コース下り危険」 「沢を下り滑落、頭部を含む打撲で動けず、防災ヘリを呼ぶ事故がありました。 別ルートを強く推奨します」 6月とあるので、2023年6月のことだろうか。どんな低山であっても滑落のリスクはあり一概に責められるものではないと思うし、状況によって防災ヘリを呼んでもいいとは思う。ただし、それは十分な準備・装備をしていたという前提であって、昼過ぎからヘッデンも持たずに登り、暗くなって滑落というケースだとしたらそれは登山者の心得違いだろう。 この掲示からひと登りでベンチが見えてきた。雨巻山頂である。いくべ会のコースタイムは71分だったが、結局1時間半近くかかり1

リタイア後の検診 ~せいうち日記187

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もうすぐリタイアして満8年になる。現役時は強制的に人間ドックを受けさせられてきたが、リタイアしたらそんなものはない。健康管理は自分で考えなくてはならない。 とはいえ、現役時の人間ドックも、胃X線検査は自主的に未実施にしてきたし、肛門触診とかそういうものも遠慮した。基本的に血液検査と、超音波、心電図、胸部X線くらいであった。 だから、糖尿病で内科のお医者さんに定期的に通っていて、何ヶ月置きにやってくれる検査と変わらない。健康保険も利くから、健保対象外の人間ドックのように割高になることもない。 リタイアした直後は、市で行われる自己負担1000円の特定検診を受けていた。 ところがこの検診たるや腕の悪い看護婦を選んで寄越しているらしく、 2年前、両腕に計3ヶ所の針跡が腫れあがってひどい目に遭った。以来、特定検診は受けていない。 特定検診は税金で行われていて、どこの自治体も検査水準にほとんど関心がない。県の出先である健康づくりセンターに一括外注して、そこがまた親方日の丸の低レベルだから、他では使えない連中を特定検診に出すのである。 検査項目も十年一日で、採血する手間は一緒なのだから詳しくやればいいのに、血糖値やコレステロールくらいしか調べない。眼底検査や胸部X線も、問診でお医者さんが必要と認めた場合だけで、そんなの誰も受けさせてくれない。 まあ、X線は胸部であれ胃であれ被曝していいことはなく、それで詳しく検査できるかというと、たいしたことはできない。「百害あって一利」の「一利」がないのである。問診の医師もモチベーションが低く、質問したところで「調べてみたらどうですか」くらいで済まされる。 よく言われるように、先進国には検診という制度はない。病院の待ち時間が2~3時間、診察2~3分とよく言われるが、検診の問診は数秒である。血液検査で異常値があればすぐ分かるというけれど、異常値の基準そのものがおかしいから、結局のところ再検査を先送りしているだけである。 だから 長年診てくれている内科のお医者さんがいるなら、その方がずっと有意義である。 カルテがあるから過去の数値も残っているし、異常値なのか体質なのかも判断できる。一見の検診医にそこまで期待するのは酷である。 しばらく前は、数年に一度は人間ドックを受けるべきかと思うこともあったけれど、結局のと

この夏の日光はやめとく

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6月に学校やホテルに現れた 中宮祠のクマは7月になっても国道近くから離れない ようで、今度は飲食店に侵入して置いてあった肉をエサにしたようだ。 クマにはクマなりの経済学があるから、同じように労力をかけてリスクを冒すのであればより腹がいっぱいになる方を選ぶのは当然である。そのくらいの頭がなければ、生き残ることはできない。 木に登って木の実を食べても、たいして腹持ちはよくない。それよりも、深夜、飲食店のドアを壊して侵入し、置いてある食糧を食べた方が効率がいい。米櫃でもあればずいぶん食べられるし、肉は大ごちそうであろう。 中宮祠の飲食店なんて、人間が歩いても10~20分の範囲である。ああいう造りの建物にエサがたくさんあると学習すれば、次は他の店にも入ろうとするだろう。学校で先生が何人も見ていてもおじけないのだから、従業員の1人くらい何でもない。 こういうニュースをみると奥さんは「だから駆除しないといけないんだよ。サルだって、煎餅よりカステラ取っていくんだから」とおっしゃる。同感である。なぜ人気商売の日光が、何も手を打たないのか本当によく分からない。 海外旅行だって、治安状況が悪く地元のギャング団がうろうろしていたら、渡航中止勧告が出る。 中宮祠は、ニューカレドニアよりジャマイカよりずっと範囲が狭い。 クマが人を襲う事故はこのところ毎年起きているし、何人か死者も出ている。 環境保護とか希少動物とか言っているから、クマの方も殺されることはないと分かって、縄張りを拡大する行動をとるようになった。みんな熊鈴が鳴ると逃げるならいいが、そうでないクマは一定割合必ずいる。駆除しないと、いずれ人や家畜を襲うようになる。 日光市は何より自然と野生動物が大切です。観光客なんか来なくても構わないんですというなら仕方ないが、海外客の集客にはたいへん熱心で「癒し空間整備」とか言っているのである。クマの縄張りが拡大すれば、いずれ住宅地にも入って来る。クマは、いろは坂の上か下かなんて考えない。住民が困るまで何も対策をとらないのだろうか。 北海道の某町のように、おカネがないので駆除はしません。猟友会に出動も要請しませんと開き直るのなら、世界遺産とか返上してホテルや商業施設の新設も認めなければいい。 いずれにしても、事故が起こるまで、誰かケガをしたり殺されたりするまで何

コース随一の難所・鎖場 雨巻山(中編)

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さて、この日の服装は、半袖のアンダーシャツにモンベルの薄手長袖シャツ、ズボンは十年以上履いている夏物で、下にモンベルのタイツである。 虫が嫌なので夏でも上下長袖 で、これ以上涼しい服装はない。耐えられないような暑い山には行かないようにしている。2024年5月は連休から夏日・真夏日となったが、この日の朝方は20℃を下回る過ごしやすい陽気であった。 御嶽山頂はT字路になっていて、登ってきた方向からみて左に下ると足尾山、右に下ると雨巻山方向である。まず足尾山なので左に進むが、すぐに急傾斜の鎖場である。 筑波山によくあるなんちゃって鎖場やロープ場とは違って、太くて重い金属チェーンである。しかも、距離が結構ある。中間に踊り場があって一息つけるが、登山者が多く混みあっていたら難儀しそうな鎖場であった。 鎖場も急斜面も、登るより下る方が気を使って時間もかかる。左手には巻き道のような踏み跡が見えるのだが、行ってみると滑りやすい急斜面で、結局鎖場を下りることになった。 鞍部まで下りて登り返すと足尾山である。 周囲は木々が繁って展望はない。ベンチも1脚だけ、崩れかけであった。 Googleによると、この近くにタイタニック岩という場所があるらしいが、名前からして絶壁に突き出た岩に違いないので探さなかった。山名標と7番の案内板を写真に撮って引き返す。 鎖場は下るより登る方が安心である。鎖には頼らないのが原則で、ここの斜面もホールド/スタンスは見つけやすい。三点確保に気をつけて登ると、下りよりかなり早く御嶽山頂に着いた。ちょうど9時だった。 山頂をまっすぐ進んで今度は南側、雨巻山に向かう。 すでに標高433mまで来ているから、あとはなだらかな稜線を期待したのだけれど、なかなかそうはいかない。急下降の後は急登坂、緩斜面はわずかしか出てこない。 ただ、地面は筑波山周辺とは違い、比較的柔らかな土が多い。ところどころ木の根が張り出してうるさい場所はあるが、鳴虫山ほどではない。そして、主稜線を進むと頻繁に赤い札、境界見出標が現われる。ここも国有林なのだ。 石柱もよく見る小振りのものだけでなく、三角点のような立派なものもあった。この稜線には独標だけで、雨巻山の他に三角点はないから、国有林か御料林の管理のために作られたものなのだろう。 表示をみると日光森林管理署