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道祖神峠から国有林の道へ 吾国山・館岸山(中編)

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吾国山頂には田上神社がある(麓の集落名からすると「たがみじんじゃ」と読むようだ)。立派な手水鉢とお堂があり、 前面には福原方面への展望が広がる。 最初に来た時ここは国見山(くにみやま・自分達の故郷を見るための山)だと思ったが、実際この田上神社は古くから近在の信仰を集めた神様らしい。 私がお参りした時に先客がひとりいて、拝礼を終えて景色を見ていると2人が後から現れた。まだ9時で早いけれどこの日は土曜日、朝方トレラン組とも会ったように、多くの人が登っているようだ。 吾国山から道祖神峠への下りは、記憶していたように急斜面で、しかもつるつるの粘土質で滑りやすいので難儀する。まだ先は長いので、足を滑らせて服を泥まみれにするのも嫌だし、足でも挫いたら大変である。慎重に下る。 道祖神峠や旧洗心館に車を止めている人が多かったようで、吾国山に登るグループ何組かとすれ違った。つるつるの登山道をようやく下り切ると、林道を横切って旧洗心館。ここは茨城県内の小中学校が林間学校で使った施設だったらしい。 補修に費用がかかるというので民間に払い下げとなり、4年前には犬が吠えている正体不明の施設であった。その後、 旧洗心館キャンプ場として、いまでは旅行サイトにも掲載されている営業施設である。 さて、4年前はその正体不明の施設内をハイキングコースが通っていたのだが、きちんと整備されているので入りづらい。舗装された林道が道祖神峠まで下っているので、そこを歩く。峠まで下ると注意書きがあり、旧洗心館を通っていもいいけれど施設や利用者の邪魔にならないようにと書いてあった。 道祖神峠は吾国山・難台山の山稜を横断する県道で、方向によって二輪車通行止めとなっている。吾国山方面へは、いま通ってきた旧洗心館まで車が入れる。逆方向の難台山側は、ロープが引いてあって車両通行止めである。ロープのすぐ前に、道祖神の石碑がある。 5分ほど歩くと、難台山方向と加賀田山方向が分かれる。難台山に向かう道があきらかに傾斜が急なので少しほっとするのだが、安心したのはここまでであった。 ここから先は初見の道である。1/25000図をみる限り難台山より大分標高は低いし、それほど混み入った等高線でもないので、ゆるやかな尾根歩きを期待していたのだが、それほど楽ではなかった。 鈴木さんの本に載っていない分岐がい

多くの人が知るべきは殺人事件や大谷ですか

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ゴールデンウィークがようやく終わり、NHKも平常ベースの編成となった。普段の番組編成でないと、1日のリズムが整わない。 いちばん嫌なのは、NHK-BSの海外ニュースが見られないことである。 国内ニュースでは那須の殺人・死体遺棄事件、BSを見れば大谷ばっかり である。NHKは視聴者の知的水準を下げたくてやっているのかもしれない。 海外では、主要先進国のほとんどはガザとウクライナがいまだにトップニュースである。時々、どこかの高校で殺人事件があるとそれが報道されることもあるが、連日その続報ということはない。 ガザとウクライナの次は、異常気象である。いま世界各地で高温と多雨が深刻で、干ばつが起こっている地域がある一方で、洪水で町中が沈んだりしている。ドイツもフランスも、南半球でもそうである。 そういう災害が日本では起こっていないから関心が薄いのはある程度仕方ないが、ヨーロッパや南アメリカまで行かなくても中国では洪水被害が甚大だし、少なくとも飲食店だか不動産会社経営の夫婦が殺された事件を多くの人が知る必要はないと思う。 先週も、ジムのロビーで年寄りが大音量でTVの前に陣取り、殺人事件のニュースを見ていた。きっと耳が悪いのだろう。それはともかく、 指示役とか仲介役とか実行役とか、警察発表の言葉をそのまま使ってどうしようというのだろう。 △△容疑者でなぜいけないのか、全然分からない。 そしてスポーツ中継といえば、朝から大谷である。野球に興味がない人間には何の意味もない映像に、月二千円の視聴料と貴重な資源が使われている。食品ロス以上の無駄遣いではないだろうか。 正直なところ、ガザやウクライナの映像は胸が悪くなるものが少なくないけれど、殺人事件や大谷よりずっと多くの人達が知るべきニュースなのは間違いない。殺人事件に指示役・仲介役・実行役がいることが、政治経済のあるべき姿を考えたりリスクを回避するため役立つはずがないのである。 TVを見ればそんなんばっかり、ネットを見ればカネの話ばっかり である。きっと日本人の多くは、他人の見る目とカネの話が最も重要なことで、自分の頭で考えたり、何が大切なのかを判断することができないのだろう。 本来、他チャンネルというツールはさまざまの分野に散らばっている視聴者の関心に対応するものであったはずだが、GoogleやYo

ノンアルコールビールはいいことばかりなのか ~糖質制限2024年4月(続き)

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2024年4月のアルコール摂取量は1日平均18g。 引き続き1日20gの厚労省推奨レベルを下回っているのだが、最近気にしていることがある。 というのは、アルコールを減らせている大きな理由が、ビールを飲まずにノンアルコールビールを飲むようになったことなのだが、果たしてこれが本当にいいことなのかという疑問がふつふつと兆してきたのである。 カロリーというのは燃やすとどのくらいの熱量を発するかということだし、アルコール摂取量はエチルアルコールがどのくらいの分子量あるかということである。人体の中でどのように変換されているか完全に分かった訳ではない。 糖質でなく合成甘味料を摂れば、 脳は糖質だと思って満足するし体は余計な栄養をとらなくてすむという理屈だが、 本当にそうなのだろうか。 体に必要ないものであればそのうち脳も分かってきて、こんなもの食べたり飲んだりしても生きていくのに関係ないと思いそうなものだが、そうならない。ノンアルコールでも飲めばビールと同じように満足感が得られる。 ということは、カロリーがない=燃やそうとしても燃料にならないだけで、実は体内ではそれなりの用途に使われているのではないかと思うのである。 疑わしいのは腸内微生物である。腸内微生物にとって、例えば食物繊維にはカロリーはないが、これを分解して栄養にすることができる。牛が草食なのにあの体格を維持できるのも、腸内微生物が関わっている。 だから、ノンアルコールビールやダイエットコーラに含まれる 人工甘味料も、腸内微生物には分解できるかもしれない。それにより「悪玉」微生物が増えるなんてことも ない話ではない。この分野の研究は、まだまだ進んでいないのだ。 エチルアルコールは結局、水素と酸素と炭素の集まりだから、厚労省の言う通り悪いものなら、水だって食物だって悪くないとは断言できない。いずれにしても生物は、死に向かって不可逆的に進んでいく存在なのである。 ましてノンアルコールビールはエチルアルコールよりもっと高分子の、人工甘味料の集まりである。アルコール抜きで脳をだましているつもりで、体にとって実は有害という落ちは、ないとは限らない。 p.s. 糖質制限シリーズ、バックナンバーは こちら 。 p.s.その2 糖質制限事始め、GO DOWN CLASSICに載せてます。 こち

中高年の山歩き 吾国山・館岸山(前編)

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今年も春がいつ来ていつ終わったのか分からないような状況で、結露に悩まされ湯たんぽを欠かせない日々からいきなり夏日になった。山歩きには悩ましい気候である。 近場で足の便がいい 筑波山にもデメリットがあって、暑くなると登れる状況にない ということである。昨年は蜂の大量発生でトレラン大会が散々な目にあったようだし、標高が低いので下界並みに暑い。 暑さもそうだが、筑波山はなにしろ人が多すぎる。それもあって非推奨登山道を選んで登ることになるのだが、人の代わりに虫や蜂、ヘビが出るのもまた勘弁である。 どうしようかなと考えていたら、例の鈴木さんの本に吾国山周辺のことが書いてあった。早いもので、吾国山・難台山を歩いてから4年経つ。久しぶりに歩きたくなった。 ただし、ここを歩くと登山口と下山口が別になってしまうのが不便なところである。まして、4月年金前は一年でもっとも資金繰りがきつい。500円の駐車場代で済むところが、電車賃で3千円近くかかってしまう。 3千円の負担増は厳しいが、なんとかなりそうな目処が立ったので、取り急ぎ準備して行くことにした。前と同じく水戸線の福原から登って、常磐線の岩間に下山する。今回は吾国山から館岸山を歩くことにした。 難台山から下りてくると、田圃をはさんで北に見える山並みが館岸山一帯である。そこを越えると笠間である。1/25000図を見ると採石場のガケ記号だらけで登山道が通じているか心配だが、鈴木さんの本によると三角点を結ぶ登山道があるようだ。吾国山を下りて道祖神峠で難台山の道と分かれる。 2024年4月13日。雨降りや夏日を避けたら土曜日になった。基本的にあまり人は多くない山域なので、大丈夫だろう。 実際、朝7時に福原駅で下車した登山客は私だけだった。 道案内にしたがい小山方面に進み、踏切を渡って引き返す。福原駅の駅舎は北側にしかなく、線路の南側は待避線になっている。貨物列車のような車両が止まっていた。 北関東道の下をくぐるあたりから、前方の景色が開ける。ひときわ高いのが吾国山である。山頂に登るとこちら側の景色が開けるから、麓からは吾国山がよく見える。 はじめ舗装道路だったハイキングコースも、田舎道になり林道になり、やがて登山道になる。登山道に入るあたりでトレラン組に抜かれた。傾斜に緩急はあるが基本的に歩きや

今年も田植えの季節・消滅自治体考 ~せいうち日記185

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家のすぐ裏に水田が広がっていて、 ゴールデンウィークには田植えが行われる。 この時期マラソン練習は午前8時頃走ることになるが、田植え機や軽トラが道いっぱいである。 日本の人口はどんどん減っていてコメの需要も当然頭打ちであるが、わが家近くの水田は休耕田がほとんどない。谷間の奥まったところまで水が引かれている。印旛沼周辺は、江戸時代からのコメどころである。 いまの主力品種は日本中どこでもコシヒカリで、南魚沼産ほどではないが印旛のお米もおいしい。味に差がつかなければ、消費地に近い方が輸送コストの分有利である。房総では宮内庁ご用達の多古米が有名だが、印旛沼の方が水はおいしいはずである。 作業を指揮しているのは私より十は上であろうお年寄りで、やせて色黒なのが特徴である。若夫婦と孫が手伝っていて(孫は遊んでいるだけだが)、若夫婦はそろって色白でやせ型である。昔、農家のおばさんはたいてい太っていたが、いまやそういうことはない。 先だって、有識者による人口戦略会議とかの組織から発表があって、 今後30年で全国自治体の半数近い747が消滅する 可能性があるらしい。今後30年で私自身が消滅するのは9割方(99%か?)確実だからどうということはないが、報道のされ方が妙に意図的な印象がある。 というのは、自治体が成り立つかどうか税収と公共支出の観点からだけしか検討していないからである。再生産可能な女性人口だけに注目するのはその表れで、それを言い出したら日本そのものが消滅危険国家であろう。 いまのライフスタイルを続けるならば、日本全国平均して危険水域で、それをランキングして消滅危険とか維持可能とかいっても、椅子取りゲームの実況中継をしているだけである。 少子化をどうしても回避したいならイランのように男女差別するか、少なくとも男女平等に制限を加えるしかないが、先進国スタンダードのポリティカルコレクトネスからそれが許されない。ならば、移民自由化とか若い世代を増やす抜本的な対策を構想するしかない。 話は戻って わが印西市、千葉県に2つしかない持続可能自治体の1つである (もう1つは流山市)。政令指定の千葉市、東京ベッドタウンの市川市、船橋市、浦安市をさし置いてのトップ2入りである。 確かに印西市近郊では企業の進出が相次いでいるし、それに伴って住宅建設も急ピッチで

最低体重83.2kg ~糖質制限2024年4月

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2024年4月の最高体重は86.3kg、最低体重は83.2kgだった。 3月との比較では、最低体重は0.3kg減って記録更新、最高体重が0.5kg増えた。1年前と比べると、ともに3~4kg減っている。 わずかな増減に一喜一憂しないように心がけているが、これだけ絞れると体が軽く感じる。3~4kg減っているということは、1年前の最低体重より現在の最高体重の方が軽いということで、かなりのシェイプアップである。 一方で気になることがいくつかある。ひとつは糖質制限がなあなあになっていることで、3年前に比べると糖質をかなり多く摂っていることは間違いない。 白米・うどん・ラーメンの悪の枢軸(w)こそ回避しているものの、 暑くなって揖保乃糸をがまんできなくなってきたし、食パンの消費量も以前より増えている。 糖質0麺を買うことはほとんどなくなった。 糖質制限も一種の偏食なので、糖質を避けることばかり考えているのもよくないと思うが、かといって野放図に食べていればリバウンド必至である。何よりも量を減らすこと。大量に食べなければ極端なリバウンドはしないはずである。 もうひとつの気がかりは、体調面で気になることがいくつか出てきたことである。今年はじめに立ちくらみを起こして、ちょっとびっくりした。いまのところ小康状態であるが、今度は三叉神経が痛む。 2年前に85kgを下回ってシェイプアップした時、帯状疱疹になった。帯状疱疹は体内に潜伏していた水ぼうそうウイルスが、抵抗力が弱まることにより再び動き出すことで発症する。 だから85kgを割り込んでいるいまも気を付けなければならないのだが、 私の場合は患部が頭と顔だから、ウイルスがいるのは三叉神経である。 折に触れて奥歯や耳が痛むのは、その後遺症かもしれない。 奥さんに言わせると「どこも痛くない人なんかいない」そうだが、私の場合特に具合が悪くなければどこも痛くないのが普通である。だから、どこか痛かったり苦しかったりすると、一気にストレスが高まる。 約三十年前、血糖値が極端に上がった時には、夜中1時間おきにトイレに行くようになった。これはまずいと医者に行くと「糖尿病です」。以来、糖質制限で薬が減るまで何種類もの糖尿病薬を飲まなければならなかった。 歳だからある程度仕方ないし、だましだまし付き合っていく以外にないが

管理を放棄された県道? 足尾山・一本杉峠(完結編)

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一本杉峠から真壁町白井に至る道は、電子国土で黄色マーカーが引かれている。凡例によると県道・主要地方道を意味していて、きのこ山から丸山に至るパラグライダー林道より高規格のはずである。 もちろん、県道が砂利道であっていけない訳ではないが、路面が平らなのは一本杉峠からわずかの間だけで、 いつしか沢と道の区別がつかなくなる。 茨城県の常で、こうした道には必ずタイヤ痕がある。地図に載っていない山道でもあるくらいだから、1/25000図に載っている道なので当然ある。ただし、路面の凹凸は激しいし段差も半端ないから、2本見えるけれどバイクのタイヤ痕である。 ともあれ、タイヤ痕を追っていけば麓まで通じているはずである。そして、一本杉峠では一車線の砂利道だったはずが、道幅が狭くなり、路面にも尖った大きな岩が点在するようになる。右左を流れる沢と道との境い目も、だんだんあやふやになっていく。 そしてとうとう、道だったはずの場所に沢が流れていて、タイヤ痕はそこをさけて細い道に入っていく。登山道ともいえないような道幅であり、かつ斜めっているからよくバイクが入れたものだ。 よく見ると、道の両側には石積みの人工的な護岸があるのだけれど、 かなり以前から管理を放棄されているようで、 崩れた場所や陥没した場所が次々と出てくる。一度など、タイヤ痕が橋もない沢を渡って対岸に続いていた。 (後から調べたところ、この道は県道218号という有名な「険道」だそうだ。) 一時間ほど歩いただろうか。道は左右に分岐する。ここまでも分岐はあったのだが、入ってみると沢にぶつかったり森に入るのであきらめた。このはっきりした分岐が、雨引方面と白井方面と分かれる地点であったようだ。 ここを白井方向に進むと、ここまで心細い登山道だったものがにわかに道幅が広くなり路面も平らになり、やがて採石場が現われる。 このあたりからようやく、軽トラぐらいなら入れる道路になった。 ただ、「車両通行不能」の麓側の表示は真壁町白井の人家に入ってからあったから、採石関係者以外に車は入らない道なのだろう。水神や馬頭尊の大きな石碑の横を通ったので、かつては足尾山に向かう人々が通った道のはずである。 民家に出てからがかえって長くて、りんりんロードを経由して真壁休憩所に戻るまで、一本杉峠から2時間以上かかった。この日歩い