国有林標識261番で立ち話 筑波山みかん園ルート(後編)

東屋で休んでいると2、3人の登山者が「こんにちわー」と通り過ぎて行ったが、いつかの土曜日のように多くはない。下山は石置尾根(国有林管理道)から下りる予定で、「進入禁止」看板から入るのでできれば人に見られたくない。

幸い、富士見岩には誰もおらず、進入禁止を見咎められることはなかった。大きな岩を回り込んで下ると自然研究路からは見えない。この道は梅林ルート(猿田彦神社ルート)、石置尾根共通の研究路側出入口となる。

ただ、最初に登った時と2度目に登った時と、同じ経路のはずなのに違ったように見えた。左右を見て、分岐がないかどうか確認しながら慎重に下る。

ひとしきり下りると、つくしこ方向に景色が開けた場所がある。「筑波山系の山路」に(展)とある場所のようだ。まさに好展望地であるが、惜しむらくは1人立ち止まるとそれ以上は滞留できない場所である。

好展望地のすぐ下にちょっとしたピークがあり、先端の岩に赤く塗った+印が描いてあった。国有林標石である。ここから先は国有林管理道なので、標識を確認して下れば間違いがないはずだ。

標石のあるピークから15分ほど下ったり登ったりすると、見覚えのある景色が出てきた。標高およそ720m、梅林ルートから登った時見た「地図にない三角点」である。

よく見るとすぐ近くの木に林野庁の境界見出標が付けてあり、261番と番号が振ってある。林野庁の国有林データベースでみると、「前峯」とある場所のようだが、林野庁の資料に261と書いてないので確かとはいえない。

先ほどの好展望地より広いので、レジャーシートでも敷けばお昼休憩にも使えそうだ。しばらく立ち止まっていると、下から熊鈴の音が聞こえてきた。珍しい。筑波山バリルートで人に会うのは初めてである(御海で声だけ聞いたことがあるが)。

登ってきたのは、私同様シニア単独行のおじさんであった。梅林近くの200円駐車場に止めて登って来たそうだ。冬とは思えないほど風もなくいい天気ですね、と立ち話する。

これから下るのだと私が言うと、「ここを何度も登るのですが、同じ道で下れたことがない。いつも別の道になってしまう。まあ、いずれ林道に突き当たるから問題ないのだが」とおっしゃる。

確かに、猿田彦ルートにはまぎらわしい分岐がいくつもあって、石置尾根をそのまま下ったり、行き過ぎて住吉神社まで進んだりする。薮で行き止まりということもある。たいていの道では「天罰下る」に突き当たるのだが。

そうですね、私も気をつけますと答えたのだけれど、この話を聞いたのだからもっと慎重に道を確認すべきだった。なにしろ、15分か20分先の人面岩にたどり着けなかったのである。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら

下山は富士見岩から石置尾根へ。ひと下りすると、好展望地がある。



 

 

 

 

 

梅林ルートを登った時に見た「地図にない三角点」は、国有林の境界標石だった。ここで、梅林から登ってきたおじさんと立ち話。

 



 

 

 

 

 

標石付近の拡大図。ここは境界261番という場所のようだ。



 

 

 

 

 

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