盛山大臣不信任案否決・分かるけどまずいよね

統一教会から推薦を受けて立候補、政策協定にサインまでしていた盛山大臣が、まさに統一教会の解散命令を出す立場の文科大臣には不適当と不信任案が出されたのに対し、自民・公明・維新の反対多数で否決された。

常識的に考えれば、警察が犯罪組織から応援を受けて逮捕できるかという話だから言語同断だが、自民党的に考えればこれでクビにしていたら誰も大臣にできなくなるから譲れないのだろう。議員以外を文科大臣にできない理由も何かありそうだ。

十年にわたる安倍政権・安倍院政の時代には、統一教会と関係のない議員は要職に就けなかったのだから、「昔のことはどうあれ」になるのも致し方ないのだが、いま現在関係がなければいいというのも良し悪しである。昔の約束は守らなくてもいいと行政が率先して言っているようなものである。

マスコミも今になって政治不信だの岸田不支持率が近年最低だの言っているけれども、安倍の天下で何も言えなかったのだから同罪である。政治倫理審査会が開けないと予算審議できないと誘導しているが、震災復興となぜ関係するのかちゃんと説明してほしいものである。

統一教会に話を戻すと、自民党がこぞって彼らと関係したのは、安倍の祖父である岸信介と深い関係がある団体だからである。われわれ世代の感覚では、岸信介、笹川良一、児玉誉士夫といった名前は右翼であり、怖い人達ということになる。

右翼は考え方が超保守だからではなく、裏で暴力と結びついているから恐れられた。旧軍隊やその取り巻きなど、第二次大戦以前の価値観で、暴力に訴えることに抵抗のない連中である。中国大陸や朝鮮半島で特殊任務にかかわったメンバーも多く含まれた。

いまでは、学生運動や新左翼といった人々の暴力体質が印象に深く残っているが、あれは学生運動の内ゲバや連合赤軍のニュースに影響されたもので、右翼の暴力体質も同じようなものである。その後継者であるから、安倍がどうこう言わなくても、「触らぬ神に祟りなし」でお供えくらいしないとすまなかったのだろう。

しかし、いまや21世紀。ポリティカル・コレクトネスを求められる世の中である。仮にも解散命令を出すかもしれない団体と関係ある人物が当該組織のトップというのは、いかにもまずい。

もし、他に適当な人物がいないというのであれば、自民党の人材不足もここに極まれるということだし、そういう政党に票を入れて選挙権を行使しましたという一般大衆も、ロシア並みの民度ということになりそうだ。

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首相が「昔のことはどうあれ」と釈明したのを聞いて、昔のことを言ったらほとんどの議員がひっかかるんだろうと思った。

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