どうやって電線を管理するのだろう 燕山中腹一周(後編)

この日は朝からさんざん道間違いした日なので、慎重に地図と道を見比べながら進む。林道は571独標付近まで下りて、そこでT字路に突き当たるのだが、実際に右から合流するのはほとんど廃道で、道なりに左に折れる感じである。

八郷に下りる林道はここだけ車が通れる。しかし、そこから左への分岐が迷わされた。というのは、そこは廃道と思われるような草ぼうぼうの道だったのである。

それでもこの道で合っていると思ったのは、三相三線と電話線まで付いた立派な電線と電柱が続いていたからである。ただし、路面は岩だらけで、落石にしか見えない巨大な塊もある。とてもじゃないが、四輪車が通れる道ではない。

この間、茨城県屈指の「険道」(一本杉峠から県道218号)を歩いたが、そこと大差ない道である。ここは県道ではないようだが、電線と電柱が続いている。メンテナンスする人達はどうやって作業するのだろうと思うくらいだった。

規格からみて、この電線は加波山神社の社務所だけでなく、燕山のアンテナ群に電気と通信(ケーブル)を供給しているのだろう。燕山のアンテナは、雨引山と違い現役ばりばりである。にもかかわらずこの電線は危ない場所を通っている。

随分進んでから、道幅半分にわたって路肩が崩壊しており、谷に沿って崩落している場所があることが判明した。反対方向からは「車両通行止」の表示がある。そして通行止め以降落石をそのままにしているから、この状況になっているものと思われた。

いずれにしても、ここが1/25000図の実線の道とは思えない。さきほどの分岐で入らずにそのまま進んでも、遠回りになるが近くまで達するので、道路自体いまは使われていないのかもしれない。電柱も電線も、あるだけで使われていない可能性もある。

スマホで進路を確認するのだけれど、このあたり道が接近していて正しいルートかどうかよく分からない。分岐はなかったと思うし、電柱・電線が続いているので大丈夫だろうが、この日は分岐をいくつも見逃している。

心細い道路をかなり歩いて、ようやく前方に合流点が見えた。麓に向かう道は車が通れる道で、左に分かれる道にはチェーンが引いてある。立札があるので近くに寄って見てみると「車両進入禁止」ではなく「みんなで環境保護」と書いてあった。

そして、ほっとしたのはいつものタイヤ痕を見つけたからである。ここまでの半廃道では路面が岩でごつごつしていたこともあるけれど、タイヤ痕はひとつも見えなかった。

チェーンが引いてあるので本当は自転車であっても進入禁止のはずだが、茨城県の常で自転車は構わず侵入してくる。関東ふれあいの道をタイヤでえぐっているのも、おそらくここから入ってきた自転車であろう。

さっきまでのように電柱や電線もないけれど、ずいぶん安心して歩くことができたのはありがたいことでした。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら

加波山から八郷側は、車も入れるけれど基本的に林道。右から合流する道は1/25000図にある道だが、あまり通られていないように見えた。
そこから分岐してさらに心細い林道に入る。電柱・電線がなければ、ここが道だろうかと疑ってしまう。
路肩からは雑草が生い茂り、路面には落石がそのまま。崩壊している箇所もあった。電柱・電線は続いているのだが、どうやって保線作業をするのだろう。

このブログの人気の投稿

働かなくたっていいんじゃないか

マーガリンは本当に体に悪いのか

これは貧血じゃなくて塩分摂り過ぎ?