猪転げ坂から小ピーク5つ6つ先 雨巻山(後編)

さて、益子いくべ会作成の雨巻山登山マップによると、御嶽山(おんたけさん)から峠までの所要時間は23分である。にもかかわらず、実際には30分近くかかった。というのは、峠までだから下るだけではなく、アップダウンがあるからである。

正直、登ったりまた下ったりを繰り返すうちに、なんだか疲れてきた。御嶽山のベンチでエネルギーゼリーで補給したものの、足りなかったのかもしれない。峠といっても鞍部というより、大川戸への林道にショートカットする道である。

そして、もうひとつの難所・猪転げ坂(ししころげざか)が現われた。真ん前にスイッチバックの急坂があるのだが、途中から上は木々に隠れて見ることができない。とはいえ、奥多摩のスイッチバックに比べれば、何ということもない。

はじめは2、3歩進むとスイッチバックだったのが、だんだん間隔が開いて行く。上部では20~30m行ったり戻ったりする。最後は顕著なピークまで登る。でも、猪が転がるほどではなかったような気がする。

しかし、問題はこれからであった。大層な名前の急坂を越えたらほどなく雨巻山かと思っても、なかなか着かない。1/25000図を見れば明らかだが、猪転げ坂の上のピークは453mの独標で、御嶽山と20mしか変わらない。雨巻山は533mである。

雨巻山まで、まだ小ピーク5つか6つある。とはいえ、歩きながらそれは予想していた。この後歩く予定の、三登谷山(みつどやさん)に至る稜線が右から合わさるはずなのに、ちっとも見えてこないからである。

ようやく雨巻山に近づいたのが分かったのは、沢コースとの分岐があったからである。ここにも看板と貼り紙があった。「沢コース下り危険」「沢を下り滑落、頭部を含む打撲で動けず、防災ヘリを呼ぶ事故がありました。別ルートを強く推奨します」

6月とあるので、2023年6月のことだろうか。どんな低山であっても滑落のリスクはあり一概に責められるものではないと思うし、状況によって防災ヘリを呼んでもいいとは思う。ただし、それは十分な準備・装備をしていたという前提であって、昼過ぎからヘッデンも持たずに登り、暗くなって滑落というケースだとしたらそれは登山者の心得違いだろう。

この掲示からひと登りでベンチが見えてきた。雨巻山頂である。いくべ会のコースタイムは71分だったが、結局1時間半近くかかり10時半になってしまった。

山頂には山名標と案内表示、ベンチが5、6脚あって先客が2組休憩中だった。国有林だからベンチにもいい顔はしないはずだが、益子町や観光協会のお声がかりでもあるのだろう。きちんと手続きすればできるようでもあるが、もしかすると新規は一切認めないのかもしれない。

ベンチの前、東方面への展望が開けている。この山域は国有林なので、御嶽山以降眺めのいい場所はまったくなかったが、ここは絶景である。稜線が3つ、4つと向こう側に見え、その向こうは霞んで見えない。

1/25000図からすると、2つ目の稜線が鶏足山あたりか。西側だと日光連山、南側だと筑波山が目立ってよく分かる目標であるけれども、東側だとなかなか同定しずらい。

景色を楽しみながら、お昼をとる。この日はコモのあんパンと、フルーツジュース、それとカロリーメイトである。朝食が3時台だったので、だいぶお腹が空いた。最近思うのだが、こういう時に間違いなくおいしいのはあんパンである。クリームとかチョコ、サンドイッチよりも、当たり外れが少ない。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら

雨巻山の登りの難所は猪ころげ坂。スイッチバックがはるか上まで続くが、急登はここだけで終わらない。まだ5つ6つ小ピークを越えなければならない。
ようやく雨巻山頂に到着。ベンチが何脚か置かれている。ただ、営林署はうるさいようで、栃木百名山の立札に「6月末に撤去します」と書かれていた。
雨巻山頂からは東側の展望が広がる。2つ目の稜線が鶏足山あたりか。
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