中高年の山歩き 日光丹勢山(前編)

暑くなると筑波山系は難しくなるので、日光連山を目指すことが多い。しかし2024年春は、ウィークデイに天気が崩れ土日になると晴れるという連続で、年金生活者にとって日程選択がやっかいであった。

道路も宿泊施設も混む。働いているみなさんが余暇を過ごす数少ない日に、年寄りが行って混雑をひどくすることはない。そして、3日4日続けて晴れるという日がない。泊りがけで行くのに天候が不安定では、また2023年のように予定を伸ばさなくてはならない。おカネもかかるし手配が面倒くさい。

でも、そんなことを言っているうちに梅雨が近づいてきた。例年5月にはチャンスがあるのに、今年は予定が立たないまま6月になってしまった。予定していた3日間は無理な様子なので、2日間で予定を立てた。少し前から気になっていた素泊まり宿に行くのもひとつの目的である。

その宿は「ゆとりろ日光」といって、場所は二荒山神社中宮祠のすぐ近くである。 おおるり廃業以来、いろは坂の上に適当な宿がなく困っていたが、ここは1泊3,900円と格安。ドミトリーだが保健室形式ではなく、カプセルホテルのように空間が仕切られている。山小屋だと思えば何ともないし、温泉と共用スペースがある。

とりあえず行ってみて、問題ないようなら今後ベースキャンプにできる。という思惑もあって、ちょっと楽しみにしつつ計画した。目的の山は初日丹勢山、2日目寒沢宿跡(1867独標)とした。

丹勢山(たんぜやま)を選んだのはいくつか理由があって、ひとつはかつて日光でも盛んに歩かれた場所にかかわらず、現在では登山客がたいへん少ないことである。

登山口である裏見の滝は松尾芭蕉が「奥の細道」で訪れた場所だし、丹勢山も古河電工の裏山で、古河電工には大正天皇の御幸があった。かつてはたいへんにぎやかだったという。野州原(やしゅうはら)林道の起点となっているのも、当時は物流の拠点だったからだと思われる。

しかし現在では、かつての登山道が寂れてしまい、石碑や石仏が笹原の中に放置されているという。刈り払いもあまりされておらず、ウリュー坂やキナミ平、三人立河原も訪れる人は少なく、廃道化しつつある。モッコ平もそれに近い。

野州原林道は通行できる状態を維持しているが、これは災害防止(男体山の治山)のためである。過疎化が進む中、いつまで続くか分からない。今のうちに行ってみたい場所であった。

2024年6月9日日曜日、午前4時出発。今回は日・月の日程なので、初日は高速の休日割引が使える。ただし首都圏近郊は対象外なので、真岡ICから乗る。道の駅二宮まではよく通る道で、そこから一般道で2時間かかるところ1時間に短縮できる。

日光道を終点の清滝まで行き、一般道を戻る。裏見の滝駐車場への道は未舗装とWEBにあったが、道幅は狭いものの駐車場まで舗装されていた。午前7時過ぎ、私がこの朝3台目であった。

沢の音が聞こえるので、まず裏見の滝まで登る。結果的に、フレッシュな朝のうちに行っておいて正解だった。10分ほど遊歩道を登る。両側は崖で、滝への往復以外どこにも行けない道である。

一番高くなっている展望台から、勢いよく落ちる本流と、斜面から幾筋も落ちる小さな滝を見ることができる。なかなかの絶景である。江戸時代はいろは坂がなかったから、華厳の滝も湯滝も、竜頭の滝にも簡単には行けなかった。裏見の滝や憾(含)満ヶ淵が日光のみどころだったのである。

本流の落ち口はオーバーハングしていて、水の裏側を歩く場所が見える。少し前まで、あのあたりに行けたらしい。奥の細道で芭蕉と曽良も、滝の横に見える不動明王らしき石像まで行ったのであろう。しかし、自然の摂理で、オーバーハングの岸壁はやがて崩れることになっている。危険防止のため、立入禁止はやむを得ない。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら

午前7時過ぎに裏見滝駐車場着。私で3台目だった。日は差さないものの、まだ天気は大丈夫。
まず裏見の滝へ。朝一番で行ったのは正解だった。滝を裏から見る通路は現在入ることはできない。芭蕉の時は不動明王像(?)あたりまで行くことができた。
いったん駐車場まで戻り、「山火事注意」の横から登山道に入る。「女峰山→」の案内と登山ポストがある。
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