ようやく山頂到着 下山は天気との競争 日光丹勢山(後編)

トラロープを手掛かりにして急斜面を登る。道は狭く、滑りやすい地盤は歩きにくい。林道からいきなりこの登山道は、かなり面食らう。

道筋ははっきりしているものの、左右から灌木の枝が伸びて行く手に立ちふさがる。足を置く場所は確かなのだが、体が進むスペースがない。そのせいか、いくつか踏み跡が交錯している。みなさん、苦労して進路を確保しているようだ。

いったん安定したトラバース道に出るものの、再び灌木に遮られる。立ちふさがる枝を両手でかき分けながら進む。1/25000図によれば標高差30~40m登れば山頂のはずだ。

薮だか道だかよく分からない踏み跡を進むと、小広い場所に出た。周囲にここより高い場所はないから、ここが頂上のようだ。木々に囲まれて展望はない。ランドマークはダケカンバということだが、正面の大きな木だろうか。

右手の木の低い場所に「丹勢山 1346m」の消えかけた山名標があった。奥に進むと幹にペンキマークのある木があって、そこにも「丹勢山 栃木の山紀行」の山名標があった。こちらはまだ書体ははっきりしている。

ベンチはないので、笹の上にレジャーシートを敷いて腰を下ろす。時刻は12時少し前。かなり難儀したが何とか正午前には頂上に着くことができた。この日のお昼はコモのあんパンとオレンジジュース。甘い匂いがするのか、さっそく虫が集まってきた。

さて、登りで時間がかかってしまったので、そうゆっくりしてはいられない。みんなの足跡をみると、同じくらいの高さに独標点があり、そこを通って来た道に戻れるのだが、例によって目印が何もない。

時間があれば踏み跡を辿って挑戦してもよかったのだが、林道から頂上までも心細い道だったのに、もっと心細い道だと困る。そしてもともと、1/25000図に載っていない。空模様が怪しいのに、リスクを冒すことはない。来た道を戻ることにした。

灌木の薮は、登る時より下る時の方が歩きやすかった。ちょうど登る時の目線に枝が来るようである。取り付きの広場まで戻ると12時半。順調に下れれば、3時頃には駐車場に戻ることができそうだ。

ひたすら続くスイッチバックの下りを延々と下って行く。ここで驚いたのは、マウンテンバイクで登ってくる単独行のシニアとここの下りですれ違ったことである。

この日の山歩きで、駐車場以外で人の姿を見たのはこれが最初で最後だった。林道だからマウンテンバイクに適しているが、砂利道だからかなり走りにくそうだ。一部を除いて展望も利かない。

行きで迷わされた裏見滝分岐を通り過ぎ、いよいよ空が暗くなったのを感じる。まだ1時半、日が傾く時刻ではまったくない。日光の下りは、こうやっていつも天気にびくびくしながらの下りになる。

そして遂に、あたりを取り巻く木々に雨粒の当たる音が聞こえるようになった。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら

分岐から林道を約1時間登る。ひたすらスイッチバックが続き、ようやく前方に男体山を望む広場に出る。この周辺に頂上への進入路があるはすだ。
笹原の中に進んだり迷った後、なんとか赤テープを見つけた。薮をかき分けると、トラロープと幹に巻かれたはっきりした目印が見つかった。
灌木をかき分けて急坂を登り、丹勢山頂上到着。眺めは開けないし、ベンチとかそういうものはない。国有林全般で人工物撤去が進んでいるせいだろうか。
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