日光の熊 登山は避けるべきか

この時期は日光の山というのがここ数年のルーティーンであったが、今年は少し状況が変わってきた。中禅寺湖畔のにぎやかな場所に、ツキノワグマが出没しているのだ。

6月末から7月にかけて、国道のすぐ近くの竜頭の滝駐車場や、中宮祠小中学校にクマが現われた。学校では先生方が見ているのに怖がりもせず、木に登って木の実を食べていたという。

木の実だけなら害はないようなものだが、人に見られて平気という性格は怖い。専門家の意見はたいてい第三者的であたりさわりのないものだが、その中でなるほどと思うのは、人に見られて平気というのは一種の異常な個体で、たいていのクマは人に見られるのは嫌だという。

人に見られるのが嫌だから、熊鈴を鳴らしたりラジオを流したりして歩くと効果がある。人がいればエサを持っている、あるいはヒトそのものがエサだと思う連中は居場所を知らせても逆効果である。そう思うクマが中禅寺湖畔にいるのだ。

学校に現れたクマは1時間以上も敷地内に居座り、しかも午前・午後の2回来たというから、自分のテリトリーだと思っている。そういうクマは、例え捕まえて山奥に放してもまた戻って来る。中禅寺湖に戻れなくても、人のいる場所に来るのである。

そういうニュースを聞くたびに、ジビエ料理はともかく(昔、川俣湖の奥にクマ料理の看板があった)、毛皮とか熊の胆に市場価値があればいいのにと思うのだが、残念ながらクマを殺してもあまり役に立たない。結局埋めることになる。

ニワトリだって鳥インフルになれば地域すべて殺処分で埋められてしまうのだからクマだけ同情しても仕方ないと思うのだが、希少動物扱いなのでそう簡単に殺せない。結果として、危ないクマが文字通り放し飼いになっているのである。

今年一度日光に行ったのだが、確かに方々にクマ目撃情報の立札が立っていた。泊ったのも中宮祠小中学校から数百mの距離だし、竜頭の滝駐車場の横も、もちろん通っている。

何より、クマが逃げ込んだ山というのが男体山山麓で、どう考えても彼らのねぐらは私が行きたいエリアである。竜頭の滝駐車場に現れるなら、梵字の滝駐車場に現れない訳がない。

そして、私の山行は基本的に単独行である。魚でも肉食獣でも、狙うのは群れから離れた相手である。腹が減ったクマなら、登山者のリュックの中には食べ物があるし、登山者そのものも食べられることを知っている。

次の計画は車でなく電車・バスで、大き目のリュックで行くことを考えていた。秋の遠出の準備で、ある程度重い荷物で長い距離歩きたかったのである。となると、クマさんに出会う確率も危険度も急上昇する。

春にはオス熊の行動範囲が広がって人里に来るらしいが、秋は冬眠前の栄養補給で山で足りなければ里に下りてくる。6月が終わればクマも引き上げるとは考えにくい。いずれにしろ、人が歩くのに適した季節はクマが歩くのにも適した時期なのである。

やみくもに怖がっていたら山に行けないのだが、異常な個体がテリトリーにしていて諸般の事情で駆除できないとなると、危ない場所には行かないのが正解と思う。入れ墨を見せびらかす連中のいる場所を避けるのと同じことである。

数十年前の香港・九龍城やロサンゼルスの犯罪多発地帯と同様、危ない場所に近づかないことも長生きするには必要なのだ。

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら

先月以来、日光中禅寺湖畔でクマが出没している。人前に平気で出てくる奴は異常個体なので、近づかないのが得策であろう。

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