苦闘のお遍路歩き3 幡多路
宇和島から松山市、高松郊外の五色台も雨だったが、足摺岬に向かう幡多路も大雨だった。季節は春なのに、私が歩くといつも雨である。
岩本寺に泊まった夜から雨になり、翌日の行程はほとんど雨。同宿のお遍路さんの中で最も遠い場所に次の宿をとり30km以上歩かなければならないことに加え、歩いている途中で傘が壊れて大変な思いをした。
歩いたのは2017年3月、記事は2017年11月に書いた。
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「こぶしの里」で10分くらい休んで、再び大雨の中を出発する。すごい勢いで雨が降ってくるので、景色を楽しむゆとりもない。こぶしの里あたりでは道路の反対側で工事をしていたようであたり一面の木が伐採されていたが、5分も歩かないうちに再び左手は森、右手は下方に集落が見える。
このあたり、国道を歩くよりも集落の道を歩いた方がいいのにと思いながら歩いたのだが、後から遍路地図を見るとそういう道もあったようである。しかし、前に述べたように山道のどこかで遍路地図コピーをなくしてしまったので、分かりやすく国道を進む他はないのであった。
荷稲(かいな)、小黒の川、不破原と真念「道指南」に載っている古くからの村を通り過ぎる。とはいえ民家は右手ずっと下の方にあり、国道の現地点表示にそう書いてあるだけである。伊与木川に沿って下り勾配のはずだが、山腹にある国道はアップダウンを繰り返すので楽ではない。
そして、朝から降り続く雨で、路面にはどこもかしこも大きな水たまりができている。トラックやトレーラーが通るたびに、歩道まで豪快に水しぶきを上げる。レインウェアを着けているので少々の水しぶきなら大丈夫とはいえ、頭から水をかけられると顔にまでかかって気持ち悪い上、スボンの裾からウォーキングシューズの中に水が入る。
こんな天気で歩いているから遍路と分かりそうなものだが、脇を通る際にスピードを落として、なるべくしぶきを上げないようにしてくれる車もある一方で、むしろスピードを上げてわざとしぶきをあげる車もある。遍路をよく思っていない人も多いということであろう。
こぶしの里から約1時間歩いて、ようやく伊与喜に着いた。土佐くろしお鉄道の駅がある街だが、それほど大きくはない。そして、この先に、一部でよく知られている熊井隧道がある。
熊井隧道は遍路地図にも載っているので歩き遍路のひとは通るところなのだろうと思っていたら、前の日の岩本寺で同宿した人達はみなさん知らないと言っていた。中には、何度も回っている先達もいらっしゃったので、予想に反して分かりにくいところにあるのかと心配していた。
ところが心配することはなく、伊与喜を過ぎてすぐの陸橋の前に大きな看板が立っていた。「88ヵ所参り、ご苦労様です。この先お遍路さんに人気のトンネルがあります。四国の道を堪能してください」とあり、分かりやすく大きな地図が描かれている。熊井隧道ではなく熊井トンネルと書いてあるけれども、これは見逃しようがないのであった。
国道から熊井トンネルに向かう田舎道に入る。田舎道とはいっても舗装道路なのだが、朝からの雨で道路の上に川のようになって水が流れている。トラックに水をかけられて靴の中が濡れてしまったが、ここでも水が入ってしまうかと心配になる。集落の中にも、曲がり角にはちゃんと案内があって、10分ほど歩いて最後は坂道を上がると、トンネルが見えてきた。
トンネルは全長90mとそれほど長いものではなく、自動車のすれ違いが困難なくらい狭いが、明治時代に造られた煉瓦造りの重厚なトンネルである。かつては多くの人々が通った道路だったが、いまや幹線道路からは外れ、わずかに遍路と地元の人達が通るだけである。この日はじめて傘をささずに歩けたのはたいへんありがたかった。
時刻はちょうど12時。トンネル出口で一休みする。誰も通らないかと思っていたら向こうから地元の人の軽トラックが走ってきたので、再び傘を手に雨の中へ。トンネルから先は下り坂で、やがて人家の先に土佐くろしお鉄道のトンネルが見えてくる。そして、行く手に土佐湾が見えてきた。前日の朝に土佐久礼を出て以来、久々に見る海である。
国道と交差する地点まで来ると、「道の駅なぶら土佐佐賀」がすぐそこにある。岩本寺から約20km、午前中の距離としてはそこそこ稼いで少々疲れてきた。そして、雨のあたらない場所というのがなにしろありがたい。道の駅の大きなレストランに入り、朝以来久々にレインウェアを脱いだ。
迷惑にならないよう他のお客さんから離れた場所にリュックを置き、食券売り場でカレーうどんをお願いする。前日までは定食類で攻めていたのだが、ずっと雨に降られて温かい汁物が食べたくなったのである。
[行 程]岩本寺 7:20 →(4.9km)8:30 お大師様分岐 8:30 →(1.8km)9:10 西尾自動車休憩所 9:20 →(3.5km)10:00 こぶしの里休憩所 10:15 →(6.0km)11:50 熊井隧道 12:00 →(1.2km)12:20 道の駅なぶら土佐佐賀(昼食)12:50 →
昼前に伊与喜到着。さんざんトラックに水を掛けられたので、熊井トンネルへのへんろ道に向かう。
このあたりは大雨。熊井トンネル前では、流れる雨で道が川と化している。この後トンネルの中で雨やどり。
再び国道と合流してすぐ「道の駅なぶら土佐佐賀」。ずぶ濡れのレインウェアを拭いて、しばし休憩。
p.s. この記事の全文はこちら。
このあたり、国道を歩くよりも集落の道を歩いた方がいいのにと思いながら歩いたのだが、後から遍路地図を見るとそういう道もあったようである。しかし、前に述べたように山道のどこかで遍路地図コピーをなくしてしまったので、分かりやすく国道を進む他はないのであった。
荷稲(かいな)、小黒の川、不破原と真念「道指南」に載っている古くからの村を通り過ぎる。とはいえ民家は右手ずっと下の方にあり、国道の現地点表示にそう書いてあるだけである。伊与木川に沿って下り勾配のはずだが、山腹にある国道はアップダウンを繰り返すので楽ではない。
そして、朝から降り続く雨で、路面にはどこもかしこも大きな水たまりができている。トラックやトレーラーが通るたびに、歩道まで豪快に水しぶきを上げる。レインウェアを着けているので少々の水しぶきなら大丈夫とはいえ、頭から水をかけられると顔にまでかかって気持ち悪い上、スボンの裾からウォーキングシューズの中に水が入る。
こんな天気で歩いているから遍路と分かりそうなものだが、脇を通る際にスピードを落として、なるべくしぶきを上げないようにしてくれる車もある一方で、むしろスピードを上げてわざとしぶきをあげる車もある。遍路をよく思っていない人も多いということであろう。
こぶしの里から約1時間歩いて、ようやく伊与喜に着いた。土佐くろしお鉄道の駅がある街だが、それほど大きくはない。そして、この先に、一部でよく知られている熊井隧道がある。
熊井隧道は遍路地図にも載っているので歩き遍路のひとは通るところなのだろうと思っていたら、前の日の岩本寺で同宿した人達はみなさん知らないと言っていた。中には、何度も回っている先達もいらっしゃったので、予想に反して分かりにくいところにあるのかと心配していた。
ところが心配することはなく、伊与喜を過ぎてすぐの陸橋の前に大きな看板が立っていた。「88ヵ所参り、ご苦労様です。この先お遍路さんに人気のトンネルがあります。四国の道を堪能してください」とあり、分かりやすく大きな地図が描かれている。熊井隧道ではなく熊井トンネルと書いてあるけれども、これは見逃しようがないのであった。
国道から熊井トンネルに向かう田舎道に入る。田舎道とはいっても舗装道路なのだが、朝からの雨で道路の上に川のようになって水が流れている。トラックに水をかけられて靴の中が濡れてしまったが、ここでも水が入ってしまうかと心配になる。集落の中にも、曲がり角にはちゃんと案内があって、10分ほど歩いて最後は坂道を上がると、トンネルが見えてきた。
トンネルは全長90mとそれほど長いものではなく、自動車のすれ違いが困難なくらい狭いが、明治時代に造られた煉瓦造りの重厚なトンネルである。かつては多くの人々が通った道路だったが、いまや幹線道路からは外れ、わずかに遍路と地元の人達が通るだけである。この日はじめて傘をささずに歩けたのはたいへんありがたかった。
時刻はちょうど12時。トンネル出口で一休みする。誰も通らないかと思っていたら向こうから地元の人の軽トラックが走ってきたので、再び傘を手に雨の中へ。トンネルから先は下り坂で、やがて人家の先に土佐くろしお鉄道のトンネルが見えてくる。そして、行く手に土佐湾が見えてきた。前日の朝に土佐久礼を出て以来、久々に見る海である。
国道と交差する地点まで来ると、「道の駅なぶら土佐佐賀」がすぐそこにある。岩本寺から約20km、午前中の距離としてはそこそこ稼いで少々疲れてきた。そして、雨のあたらない場所というのがなにしろありがたい。道の駅の大きなレストランに入り、朝以来久々にレインウェアを脱いだ。
迷惑にならないよう他のお客さんから離れた場所にリュックを置き、食券売り場でカレーうどんをお願いする。前日までは定食類で攻めていたのだが、ずっと雨に降られて温かい汁物が食べたくなったのである。
[行 程]岩本寺 7:20 →(4.9km)8:30 お大師様分岐 8:30 →(1.8km)9:10 西尾自動車休憩所 9:20 →(3.5km)10:00 こぶしの里休憩所 10:15 →(6.0km)11:50 熊井隧道 12:00 →(1.2km)12:20 道の駅なぶら土佐佐賀(昼食)12:50 →
昼前に伊与喜到着。さんざんトラックに水を掛けられたので、熊井トンネルへのへんろ道に向かう。
このあたりは大雨。熊井トンネル前では、流れる雨で道が川と化している。この後トンネルの中で雨やどり。
再び国道と合流してすぐ「道の駅なぶら土佐佐賀」。ずぶ濡れのレインウェアを拭いて、しばし休憩。
p.s. この記事の全文はこちら。
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