なぜ東京電力の料金が高いのか

NHKニュースでは、神戸の震災がちょうど今頃だったと盛んに放送している。その頃私は社会福祉関係の仕事をしていたので、復興支援とか仕事が増えたのを思い出す。ずいぶん昔のことになった。

対して東日本大震災は比較的最近だし、場所も近いし揺れも相当だったので印象は強い。加えて、所管が東京電力だから、直接の影響も少なくなかった。(株主でもあった)

以下は2019年2月、6年前の記事である。当時電力自由化で、東京電力から東京ガスに替えたのだった。東京電力の三段料金(使用量の多い人の料金)は東京ガスに比べてたいへん割高であり、それはおそらく原発関連の支出が原因と考察している。おそらく今日でも、その状況は変わらないと思われる。
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年初の「年金生活2019」で書いたように、東京ガスの単価増が1.1%なのに東京電力が7.5%に及ぶことから、このまま今の契約を続けていると東電の思う壺のような気がしてきて、年も明けたのでいろいろ調べてみた。

改めて私のスタンスを説明すると、短期的な損得でものごとを考えるのではなく、メリットデメリットを総合的に判断し自分自身のこだわりも勘案して決めたい。だから、「なんたらシミュレーション」だの「なんたらキャンペーン」などに関心はないのである。

まず最初に知りたいことは、なぜ東京ガスだと安くて東京電力だと高いかということである。そういう一番知りたいことを、東電も東ガスもすぐ分かるところに書いていない。だから、ホームページを行ったり来たりして、自分の求める情報を探さなければならない。

ポイントになるのは、料金表である。東電も東ガスもすぐ分かるところには載せていない。「自由化前」だの「お得なキャンペーン」だのをスルーして、ようやく目指す料金表にたどり着いた(東電は適用中の「電灯B」、東ガスは「ずっとも電気1」)。

40Aの基本料金は東電も東ガスも1,123円20銭で変わらない。違うのは、電力量に伴う料金である。これをみると、第1段階(1段)料金が東電19.52円/kwhに対して、東ガスが23.24円、2段料金が東電26.00円・東ガス23.45円、3段料金が東電30.02円・東ガス25.93円である(2019年1月現在)。

これまであまり疑問に思ってこなかったが、東電では1段と3段の間に10円以上の開きがあるのに対し、東ガスでは2円ほどしか違わない。電力を供給するのに使用量によって製造原価が違うとは考えられないし、新規参入の東ガスが23~26円だから、本来東電もその単価が本来つけるべきまともな単価であると思われる。

では、なぜ東電はそんな傾斜料金を適用しているのか。まず、低い方について考えられるのは政治的配慮である。1段というのは利用量が少ない人で、おそらく低所得水準の人が多いと思われるから、社会福祉的観点から料金を低く抑えているのであろう。悪いことではない。問題は、それと引き換えに3段料金がきわめて高い水準に設定されていることである。

平均的な戸建住宅の使用量より節電しているわが家にして、夏冬の需要期には3段料金まで間違いなくかかる。そして、1段料金のみで済むことは年間通して皆無である。つまり、一般家庭の大多数に対して、原価の2割以上上乗せした3段料金を取っているということになる。

好意的に考えれば、「多く使う人のために設備投資が必要になるんだから、負担してもらわざるを得ない」ということなのかもしれない。それにしても取り過ぎである。新規参入の東ガスにして2円程度の上乗せで済むのだから、すでに長年営業している東電がそれほど上乗せしなければならないとすれば、何か他に原因があるはずである。

それがおそらく、福島原発の不始末に関わる諸々なんだろう。福島原発の事故は、大地震による津波が原因で引き起こされたものではあるが、まじめに危機管理対策をとっていれば防ぐことのできた事故である。尻拭いまでわれわれの懐ろを当てにされるというのは、不愉快である。

利用量の多い契約者に対する割増し料金は、それによって必要となる追加の設備投資や原材料の手当てまで含めても、東ガス程度の単価増に収まるはずのもので、それ以上の負担は東電が身銭を切ってやるべき筋合いである。(個人的には、東電は一旦会社整理すべきであったと考えている)

そんな人をバカにした料金をいつまでも払っているのは、お人よしが過ぎる。事故が起こるまでいい加減な原発管理をしていた東電が、いまさら再生可能エネルギーだの言ったところで信用できる訳がない。そして、おそらくは原発の尻拭いで高い料金を取っているのならば、電気事業者を東電から他の会社に移すのは私にとっては当然ということになる。

東京電力の電気料金表。利用量が少ない1段料金が単価19円台なのに、3段料金は30円台になる。節電しているわが家でさえ、夏冬は3段料金になる。これが「高さの秘訣!!」である。

p.s. 年金生活の税金・保険等の過去記事、バックナンバーはこちら

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